『グラン・トリノ』(2008年) あらすじ
監督:クリント・イーストウッド
脚本: ニック・シェンク
出演者:クリント・イーストウッド
上映時間:117分
製作国:アメリカ
あらすじ
ウォルト・コワルスキーは気難しいポーランド系アメリカ人。朝鮮戦争での従軍経験がある。
50年連れ添った妻を失ったばかりで、カトリック教徒ではあるが信仰に対しても懐疑的な態度をとっている。息子夫婦とも次第に疎遠になってゆき、老犬デイジーと自宅で暮らしている。
教会の神父ヤノビッチもウォルトに近づこうとするが、最初はこの若い神父に対しても心を開かなかった。
しかしあきらめずに近づいてくるヤノビッチ神父に心を開いたウォルトは、彼が今でも朝鮮戦争の記憶に悩まされていることを神父に打ち明ける。
彼が暮らす地域は、現在は貧しいアジア系移民が多く暮らしており、ギャングたちによる暴力沙汰も絶えない場所である。
近所のアジア系住民であるモン族の人たちは、ウォルトの隣の家にも住んでいる。
ある日、この隣家に暮らす少年タオがウォルトの愛車フォード・グラントリノを盗もうとしているところを発見する。 しかしこれは、タオがモン族のギャングに加入するために要求されたことだった。
グラントリノの窃盗に失敗したタオはギャングから制裁を受けそうになるが、ウォルトはその現場に居合わせ、ギャングたちにライフルを突きつけて追い払う。
この一件から、ウォルトはモン族の人たちから慕われるようになる。
グラントリノを盗もうとしたことに対する償いとして、タオの母親は彼をウォルトのために働かせることにした。
こうしてウォルトとタオはお互いの信頼関係を深めていく。
一方、タオの姉であるスーはウォルトにモン族の文化や食事を紹介するようになり、ウォルトはモン族の人たちと家族のような関係を築いていく。
タバコを好むウォルトは咳の発作があり、血を吐くこともあった。 ある日健康診断を受けると、自らの生い先が長くないことを悟る。
ウォルトにライフルで追い払われたギャングたちはいったんは身を引いたものの、タオへのプレッシャーを続ける。
タオがタバコで焼きを入れられたことを知ったウォルトは、ギャングのたまり場に乗り込み、メンバーの一人を殴り倒して二度と手を出すなと警告する。
するとこの報復に、ギャングたちはタオの家を銃撃、さらにはタオの姉スーに暴行を加える。
以下、ネタバレ注意
タオはウォルトとともにギャングへの復讐を計画する。 しかしウォルトはこの復讐計画にタオを巻き込まずウォルト個人で実行するよう準備を進めていく。
ウォルトはタオを地下室に閉じ込め、その間にギャングのたまり場に乗り込んで行く。
ギャングたちがウォルトに銃を向ける中、ウォルトはタバコの火をつけようとポケットに手を入れる。
その瞬間、ギャングたちはウォルトを銃撃し、彼は息絶える。
ウォルトの死後、その遺言にはグラントリノをタオに譲り渡す旨が書かれていたのだった。