『ブラック・スワン』(2010年) あらすじ
監督: ダーレン・アロノフスキー
脚本:マーク・ヘイマン、アンドレス・ハインツ、ジョン・J・マクローリン
出演者: ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス
上映時間:108分
製作国:アメリカ
あらすじ
ニナはニューヨークのバレリーナ。 彼女が所属するバレーカンパニーの新しい演目はチャイコフスキーの「白鳥の湖」だが、プリマドンナのべスが引退を余儀なくされたため、ディレクターのトマ・ルロイは純粋な「白鳥」と男を誘惑する「黒鳥」(ブラック・スワン)の二役を演ずることができる新しいプリマドンナを探していた。
ニナは白鳥の完璧なバレーを演ずることはできたが、ブラック・スワンを演じるには何か足りないものがあるとみられていた。 しかしニナは晴れてプリマドンナに選出される。
ニナの母親は娘の生活やキャリアに口出しし続ける母親で、ニナにはそのストレスが日々積もっていった。
同じバレーカンパニーに所属するバレリーナのリリーは、ニナの持っていない素質があるとトマに認められていた。
ニナはこうしたプレッシャーから、身に覚えのないひっかき傷を背中に見つけたり、自分の分身を見てしまう幻覚が続くようになる。
ある晩、ニナはリリーに誘われ外出する。 そこでドラッグを飲まされたニナは、リリーと一緒に自宅に戻り、二人でセックスをする。
翌朝、ニナは寝坊して遅刻し、大慌てで練習場に駆けつけるが、そこではリリーがニナの代わりに踊っていた。 その後ニナはリリーに前夜のことを話すが、リリーには前夜の記憶はなく、ニナはまたしても幻覚を見ていたことを思い知らされる。
「白鳥の湖」公演初日直前、ニナに万が一のことがあった場合の代役としてリリーが指名された。
こうしてニナはプレッシャーに押しつぶされてゆく。
そんな娘の様子を見た母親は、自分の判断でバレーカンパニーに連絡し公演初日の出演をキャンセルしてしまうのだった。
以下、ネタバレ注意
ニナは母親を振り切って会場に行く。
会場ではすでにニナの代わりにリリーが舞台に立つことに決まっていた。 しかしニナはそれを押し切り、自分が出演すると主張。メイクやコスチュームの準備を始める。
本番のステージ上でもニナは幻覚に悩まされる。途中の衣装替えのときも自分の楽屋で幻覚が始まり、リリーが彼女の役を乗っ取ろうとしている幻覚を見てしまう。 ニナは勢いでリリーを刺し殺し、その死体を隠して再び舞台に戻る。
ニナがそこで見せたステージパフォーマンスは最高の出来ばえで、完璧なブラック・スワンを演じきった。
再び衣装替えで楽屋に戻ると、先ほど殺したと思っていたリリーがニナの楽屋を訪れてくる。 ニナは混乱し、リリーを刺したのは幻覚であって実際は自分の腹部を刺していたことに気づく。
腹から出血しながらも衣装とメイクを変え、ステージに戻り、最終舞台を終えたニナ。 観客からも共演者からも絶賛され拍手喝さいを浴びる中、腹部の出血がひどく、ニナはそのまま息絶えてゆくのだった。