『桑の葉』(1985年)あらすじ
監督:イ・ドゥヨン
脚本:ユン・サミュク
出演者: イ・ミスク
上映時間:112分
製作国:韓国
あらすじ
旧日本軍による占領下の朝鮮。
ある小さな農村に暮らす若くて美しい人妻アンヒョプは、夫のサンボがギャンブル漬けの日々を送っていることを嘆く。
妻を村に残し、一人で何か月も出かけてしまうのである。
夫が不在のとき、アンヒョプは自分で金を稼ぎ、食べ物や日用品を手に入れている。
養蚕を行っている(=蚕(かいこ)を育てている)隣人の老婦人からの依頼で、桑の葉の摘み取りの仕事を引き受け、その収入で暮らしていた。
それと同時にアンヒョプは村の男たちのほぼ全員と体の関係を持ち、その見返りにコメや指輪などを手に入れていたのである。
狭い村社会の中でこれが噂として広まってしまうのは時間の問題だった。
自分の夫がアンヒョプと関係を持ったことを発見し腹を立てた村の女性たちは、彼女を村から追い出そうと画策する。
そして女性数人でアンヒョプが一人で暮らす家にまで押しかけ、リンチで血まみれにしてしまう。
さらに村の長老に彼女を追い出してもらうように依頼し、長老は直接アンヒョプのもとを訪れ、出ていくように伝える。
しかしそんな長老も、アンヒョプは自分の魅力で誘惑して "なだめて" しまうのだった。
そんな中、村の男の中でただ一人アンヒョプが体の関係を持っていないサムドルという男性がいた。
彼は下働きをしている男で、アンヒョプが男性遍歴を重ねていることを知っており、自分もその仲間に入ろうと何度もアンヒョプに近づくが、一度も相手にされなかった。
以下、ネタバレ注意
数か月後、アンヒョプの夫サンボが村に帰って来る。
アンヒョプに断られ続けてイラ立っているサムドルは、アンヒョプのいる前で夫サンボに彼女の不貞行為を暴露してしまう。
自分の妻を汚い言葉でののしったサムドルにサンボは怒りをぶちまけ、サンボをボコボコに打ちのめしてしまうのである。
サンボはさらにアンヒョプにも暴力をふるう。
結局、再び夫のサンボはギャンブルに出かけて行った。
1人で出かけていくそのサンボのあとを、旧日本軍の憲兵が追っていく。
アンヒョプはまた家に1人で残され、泣き崩れているのだった。