『花様年華』(2000年) あらすじ
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ウォン・カーウァイ
上映時間:98分
製作国:香港、フランス
あらすじ
1962年、香港。
新聞社に勤めるチャウはアパートの一室に引っ越したが、同じその日、貿易会社で秘書として働いているチャン夫人が隣室に引っ越してくる。
チャン夫人の夫は仕事で留守がちであり、チャウも既婚者だが妻もまた働いていて留守が多いため、チャン夫人もチャウもアパートで一人で過ごすことが多かった。
同じ建物のお隣さん同士である二人は、毎日の様々な場面で顔を合わせるようになる。
とくにチャウが仕事のあとに夕食を取るヌードルショップには、チャン夫人もしばしば訪れており、そのたびに顔を合わせていた。
一方、チャウもチャン夫人も、それぞれ自分の奥さんや夫が浮気をしているのではないかと疑っている。
チャウは武道をテーマにした作品を執筆していて、その出来栄えについてチャン夫人に助言を求めるようになる。
こうしていっしょに時間を過ごすことを多くなった二人だが、同じ建物に暮らす二人に向けられる大家たちの視線を気にしたチャウは、新たに別の建物に仕事部屋を借り始める。
そこでチャウとチャン夫人は、まわりの目を気にせず執筆に時間を使うことが出来るようになった。
この二人の関係はプラトニックな恋愛にすぎず、肉体関係はない。
しかしお互いがお互いの気持ちに少しずつ気づいて行くようになる。
そのうち、チャウは仕事でシンガポールに行くことになった。
彼はチャン夫人にいっしょに行ってほしいと声をかけた。
そしてチャウは仕事部屋でチャン夫人を待ち続ける。
しかし彼女が現れないと思ったチャウは、一人部屋を去って行った。
そのころ、チャン夫人はアパートの階段を駆け下りてゆきチャウが待っているはずの仕事部屋にたどり着くが、そのときすでにチャウは出発した後であった。
以下、ネタバレ注意
1963年、シンガポール。
チャウは自分の部屋に口紅のついたタバコの吸い殻が残されているのを発見した。
実はチャウの知らないうちに、チャン夫人がはるばるシンガポールのチャウの部屋を訪れていたのである。
彼女はチャウの職場に電話をかけチャウ本人とつながるが、一言も交わさず電話を切ってしまう。
1966年、香港。
すでに別のところに引っ越していたチャン夫人は、久しぶりにあのアパートを訪れる。
大家さんがアメリカに引っ越す直前で、チャン夫人はこのアパートをあらためて借りることに興味を示した。
その後、チャウがこのアパートを訪れ来るが、すでにほかの人が住んでおり、大家にもチャン夫人にも会えずじまいだった。
しかしそこには、チャン夫人が息子とともに暮らしていたのである。
映画はカンボジアのアンコールワットを訪れているチャウが、廃墟となった遺跡に向かって自分とチャン夫人の恋愛について密かに告白する場面で終わる。